差切峡

sashi4小川累層の硬い礫岩や砂岩の地層に麻績川がほぼ垂直に流れ込んだために出来た渓谷で、奇岩が多く、洞穴や滝(大滝八たん)も見られます。春の山ツツジ、秋の紅葉が映える絶景の地です。「天工の差切る岩や秋の水」と加藤犀水は、この風景をたたえています。昭和40年県告示412号によって県立自然公園に指定されました。明治初期の差切新道開通以来、この道路も改修が重ねられて、交通の便もよく、山清路に通じています。

※山清路方面(国道19号線)へは2トン車以上は通行できません

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真珠渕・ドの渕

sashi2差切峡の切り立った岸壁のなかで、唯一遊歩道が整備されています。澄んだ水の流れの中に鯉・ウグイ・あぶらハヤ・オイカワ・カマカツ等の魚が生息しており、多くの釣り人が釣りを楽しんでいます。また、ドの渕には、「熊の穴」という洞穴があり、そこに「一心不動尊」と書かれた石碑が建立されています。

※現在は、「熊の穴」に行くための吊橋が老朽化しており、危険回避のため吊橋を通行禁止にしています。

差切峡の大蛇伝説と竜王権現様祭り

差切峡公園内に竜王権現像が奉られており、8月4日が縁日となっていますが現在では、8月の第1週の日曜日に「竜王大権現様祭り」を行なっています。
この祭りには、地元にこんな言い伝えが残っています。
二百数十年も昔のこと。降り続く長雨で、修那羅にあった大きな池が崩れた際、主の大蛇も流されて、差切峡の「ドの渕(ぶち)」に住み着いた。ドの渕は水鳥を狙う狩人が集まる場所だったが、それ以来いざ撃とうとすると、この大蛇が頭を出して鳥を逃がしてしまう。ある日、一羽も捕れなかった狩人が腹を立て、大蛇の頭を撃ち抜き殺してしった。すると次の夏から、ふちの周辺から無数の小さな蛇が現れ、人々を襲うようになった。そこで、近くに住んでいた生津迦(しょうづか)様という仙人が「この土地は恐ろしい蛇に呪われている」と、洞穴に蛇を竜王大権現として祭ったところ、無数の蛇の姿は消えたという。
この翌年から始まったと伝わる「竜王大権現様祭り」は、地元赤松地区の住民によって行われます。かつては山車も出たようですが、地区の過疎化に伴い現在は、竜を描いたのぼりを立て、笛と太鼓で奉納します。


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