おおたけの果てしないたわごとVo.11~干し柿ブラザーズが出来上がるまでの道のり~
田舎にきたらやっぱりこれをやらなきゃ。
干し柿づくり
この干し柿が出来るまでの道のりを
今日は干し柿の気持ちになって書きたいと思います。
(とうとう、頭おかしくなったと思わないでください。)
ではたわごとのはじまり、はじまり。
***
10月半ば。
私は干し柿になるべく、皮をむかれて干されました。
4人兄弟の次男坊として、結ばれた絆はとてもつよかった。
おおたけさんは雨をしのぐため、室内の窓際に干しました。
風が吹けば気持ちがいいんです。
渋みも消えてきます。あー、気持ちいい…
おや、おおたけさん、どうやら出張で不在になるみたい。当たり前だけど、戸締りきっちりしていきました。
悪夢はここから。
長男の様子がおかしくなりました。
『うぅー、あー、しんどい…』
長男からうめき声が…
『どうした?柿兄!!』
『湿度が高過ぎる…このままでは白カビにやられてまう…』
『がんばれ!!柿兄!!』
そんな声も届かず、私も弱ってしまった…
3日後、おおたけさんが帰った頃にはこんな姿に…
おおたけさんは私たちを焼酎に漬けたり、白カビをとったりしましたがその甲斐虚しく、私たちは干し柿として生まれ変わることはなかったのです。
その後も干し柿が忘れられなかったようで、2代目干し柿ブラザーズをおおたけさんは作るのでした。
そして私たちは、生まれ変わってまたおおたけ家に来ました。
今回は南向き、風通し抜群の軒下で、干されました。
おおたけさん、いい感じよ!
風通しも良いし、渋みも消えてくよ!
そんなおおたけさん、今回干し柿ブラザーズを作る際に親指の爪を切り落とす大ケガをしながらも総勢11コの干し柿ブラザーズを作り上げました。
強い風にも立ち向かい、我々は徐々に干し柿として生まれ変わっていきました。
安定感のないこの突っ張り棒の上で。
頃合いを見計らって、おおたけさんはもみもみし始めました。
この作業、おおたけさん好きみたいです。終始笑ってます…
我々渋柿は、揉むことで甘みが早く増すと言われているんですよ。
お昼休み中のおおたけさんは
我々干し柿ブラザーズの成長記録を撮るのが日課になったようです。
すっかりイイ感じに老いてきた2代目干し柿ブラザーズ。
おおたけさん、そろそろ食べごろですよ。
渋みがなくなり、甘みを増した人間とは真逆の人生を歩む干し柿ブラザーズより。
~筑北村地域おこし協力隊1年目活動日記~
大嶽 美和子