松場通信Vol.7 〜燃え上がる炎。“どんどん焼き”〜
1月12日。松場でどんどん焼きがありました。
”どんどん焼き” とは何か?
村史によると「1月7日に松を焼くことをドンドンヤキといっている。」
と書いてありました。
・・・う〜ん。この上なく分かりやすい解説ですね。
要は、正月の松飾りや、去年のだるま、書き初めやその他正月飾りをいっぺんに燃やす催しなのです。
各地域によっては「書き初めが高く燃えれば字が上手になる」
とか「おもちを焼いて食べるとご利益がある」
というような言い伝えが残っておりますが、
それはあくまでサブな意味合い。
基本的には「どんどん燃やす」というのがメインの目的なようです。
複雑に入り組んだ現代社会にとって、
こういったシンプルな目的の行事は大いに楽しみ、謳歌するべきでしょう。
しかしお兄さん、ただの焚き火だと思ってもらっちゃぁ困ります。
その燃やすまでの過程には、意外と大変な工程があるのでした。
①だるまを枝につけて上に高くおったてる
このとき一本の枝を直立させるだけでは倒れてしまうので、
しっかりと枝下に「ウケ」を作り、3点で固定させるのです。
②良く火がつくように藁束を放り込む
藁はこういうところでも重宝されるんですね。
③その周りを笹がついた竹で覆う
これが以外と難しく、「竹を上から押さえつける役」と「竹を渡す役」
がうまいこと作業分担して固めていきます。
とくに竹は、枝先が跳ねて顔に当たるとチョー痛い。
④隙間に松や飾り物、最後にしめ縄などを巻いて飾り付けて完成
この円錐形を目指すのがミソ、というか一般的と言えます。
ふう。
いよいよ点火です。
ぱちぱち、見る見るうちに煙が登ってきました。
凄い煙。
太陽が隠れてしまうほど。
燃えること数十分。
その間僕はひたすら火を見ていました。
そして気づく頃には灰になっていました。
名残惜しそうに見つめる住民のみなさま。
ではなく、ただ寒いので火に群がっているのです。
最後、燃えかすの墨がいい感じになったところでお餅を焼きました。
執筆者:筑北村 地域おこし協力隊 青木陽太郎